
片道航空券を握りしめて、初めて一人で旅に出たあの日の話
こんにちはmaya(@Mayayan6)です。
今回は少し懐かしい、私が初めてひとり旅に出た時の話を。
もうずいぶん前のことなので、まだ残っている記憶と当時の日記をたどりながらになりますが、まだちゃんとまとめたことがなかったので、いつでも振り返れるように、自分のためにも書き残しておきたいなと思います。
旅に出ようと思ったきっかけの話

大学3年生、就職活動の波に乗れず焦りを感じ始めた頃
旅のきっかけは人ぞれぞれですが、私の場合は大学3年生の時、2010年の秋で、大学の行事もひと段落し、就職活動を目の前にした周りがそわそわし始める時期でした。
当時の私は、1年間活動してきた大学のイベントが終わってほっとしたのも束の間、ついこの前まで一緒に語り合ってた友人たちが、就職活動に向けて髪の色を変え、リクルートスーツで大学に来始めたのを見て、恥ずかしい話ですが初めて自分が何も考えてなかったことに気がつきました。
「〇〇業界に行きたい!」「〇〇に関係する仕事をしたいんだよねー」と話す友人の話を聞いて、自分には「これをやりたい!」ということがないことに気づき、自己分析やキャリア診断をするも、答えが出ないままモヤモヤと日々を過ごして、周りとの差に焦りを感じていました。
年が明けてエントリーシートを出し始める時期になっても、自分のやりたいことがイマイチ分からず、興味がある業界はあるけど本気で目指している子を横目にするとどうしても気後れしてしまい、自信がないためどの企業にも履歴書を送れない日々。
企業説明会に行ってもいまいちピンとこなくて、こんなんで大丈夫なのかな…と将来に不安が募る毎日でした。
やらないと一生後悔しそうなことについて考えてみる
「なんで何もやりたいことが浮かばないんだろう」その考えを紐解いていくと、「自分がどういうふうに生きたいか」という軸がないことに気がつきました。ちょっと壮大なテーマですが、それが見つかったらやりたいことの方向性も見えるかもしれない。少しでもこのゴールの見えない迷路から抜け出したくて必死だったなと思います。
そして就職活動は一旦置いといて、もう少し広い枠でやりたいことを考え始めたのですが、色々出す中で、自分が「これはやっておかないと絶対後悔する」ということの一つに「世界一周」が浮かびました。
当時の私は国際協力を勉強していたこともあって、「いつか自分の目で世界を見たい」と考えていたけど、それは自分にとってはできるかどうか考えるまでもなく無謀なことのように思ってました。もしかしたらいつかできるかもしれないけど、それはずっと先の話で、お金が貯まってもっと大人になってからだろうなと。「世界一周」は夢のようなやりたいことであって、現実に選ぶための選択肢ではなかったのです。
そんなことを思いながらも、頭の片隅にはいつも「世界一周」という言葉が残っていて、”やってみたい”けど”そんなことは自分にはできないから、他の選択肢を….”と、そんな葛藤の日々を送っていました。
「できない」ばかりでは何も進まない。もっと心の声を聞いてあげたら?
そんな中、できるかできないかを考えていても永遠に埒が明かないし、とにかくこの負のスパイラルから抜け出したくて、自分にとって前に進めるものを見つけたい!そんな何のレールも見えない広い海の中に飛び込むような気持ちで、できないという気持ちを無理やり振るい起こして、「世界一周やってみよう!」と決意しました。
いざ決意してみると、不思議と自分の探している情報が飛び込んできます。
本屋に行くと、普段は気がつかなかった世界一周の本が目に入って、中を読んで見ると「女性でも一人でこんな旅ができるんだ」とか「こんな値段で世界一周できるんだ」と驚くようなことばかり。
自分がするにはまだ自信がないけど、頑張ればもしかしたらできるんじゃないか…とそんな気持ちになってきました。
後から思えばですが、2010年~2011年当時はちょうど一部で大学生の世界一周ブームがあったこともあり、一人で旅するための色々な情報がでゴロゴロとインターネット上に出てきたタイミングだったのも私にとっては幸いでした。
そして、自分のできるできないかの自信より心の声に従おうと決めた私。
不安99%の楽しみ1%くらいでしたが、それまで抱えていたもやもやとした将来の不安が、霧が晴れるようにスッキリしたのを覚えています。
世界一周に向けて動き出したら、心のモヤモヤがスッキリと晴れた

今も覚えているくらい当時の私にとっては分からないことだらけ。
航空券の買い方もわからないし、飛行機の乗り継ぎもよくわからない…..向こうに着いて、海外から海外への航空券なんてどうやって買えばいいんだ….パスポートがいるのは知ってるけどビザって…?それだけで頭がパンクしそうでした。当時はスマホもなかったから、アメブロをやるために買ったPC(途中で盗まれたけど)は持ってたけど、これで飛行機やホテルを予約できるということすら知りませんでした。笑
後戻りできなくするため、親に説明して、大学には1年間の休学届けを出して(理由の欄に「世界一周のため」って書いたら教務課の人に頑張ってね!って言ってくれた)、友達にも宣言。バイト先にも「世界一周するんでお金必要だからめっちゃシフト入れてください!あと4ヶ月後にやめます!」と伝え、正直「こんなみんなが就活してる時期になんで…」って言われるかなと思ってたけど、周りの人は心配こそしてくれたけど全員温かく応援してくれました。
周りに宣言したことで、分からないからと投げ出すこともできずいよいよ後戻りできなくなった私は、ひたすらバイトと調べ物の日々を送りました。
ガイドブックも全部は持っていけないので、所々をノートにメモして。危険情報のところを読むたびに、あぁ…生きて帰ってこれないかもしれない…と震え上がり、でも当時はそれくらいの覚悟があったような気がします。
この頃の私は、不安に押しつぶされそうにはなっていたけど、前のような出口が見えないモヤモヤはなくて、ひたすら準備に向けて必死でした。
世界一周までのやったことリストと出発まで
- ✅ 休学届けを出す
- ✅ 親に説明する
- ✅ お金を稼ぐ
- ✅ 行く国を決める
- ✅ ルートを決める
- ✅ 各国の情報を調べる
- ✅ 世界一周のための知識を頭に詰め込む
- ✅ 航空券を買う
- ✅ 保険に入る
- ✅ 必要なものを揃える
- ✅ 部屋を解約する
などなど……
「パスポートとお金さえあれば大丈夫」と今でこそ現地に行ってから旅程を考えることもありますが、当時はギッチギチのスケジュールを立てなくちゃ…!と必死だった私。
ルートも全部も決めて、日程もホテルも決めていこう!と思っていましたが、私の性格上そんなことは無理で(事前準備ができない)、気がつけば目標出発日まで1ヶ月を切っていました。まだ航空券も買ってないどころか、ルートも大して決まってない….パニックになった私は、とりあえず最初はインドネシアスタートで東南アジアを周り、インドそしてヨーロッパへ!そんな適当なルートだけ決め、新宿のJTBに駆け込みました。
「インドネシアのジャカルタまで行きたいんですけど、5万円くらいで片道チケットありますか….」
私がそういうと、最初はにこやかだったカウンターのおばさんの顔が険しくなり、「片道?どうしてですか?」と明らかに怪しいものを見るかのような接客態度に変わり、「そんなチケットはないです」と冷たく言われたのを覚えています。笑
今思ったら、インドネシアは往復チケットがないと入れないんですが、そんなことも知らなかったので、なんとかJTBで6万円の片道チケットを探してもらい、最初の一歩をつかんだような気分になりました。
そして、調べものやら必要なものも用意したりやらで慌ただしく日々が過ぎていきました。
借りていた部屋は引き払い、荷物は全てトランクルームに預けて、「最悪お金とパスポートとチケットだけあれば大丈夫!」そう自分に言い聞かせてながらも、当時はあれもこれもとバックパックいっぱいに詰め込んで(よくわからないお土産とか衛生グッズとか)旅の準備も中途半端なままに出発当日を迎えました。
当日は友達が成田空港まで見送ってくれるとのことで、朝早く迎えに来てくれてワイワイと空港へ向かいながらも心の中は不安と緊張でいっぱい。「生きて帰ってこれるかな….」と本気でビクビクしていたのを懐かしく思います。
今、あの時を振り返って思うこと

結局周りとは1年送れて卒業し、新卒入社みたいなレールからは外れましたが、後悔するどころかあの時の自分の選択は今も誇らしく思うし、感謝の気持ちでいっぱいです。私にとっては、”世界を歩いた”という経験より、自分で決断して進んだっていうことの方が大きな資産になっていて、初めて自分で人生を考えて、その中で難しい選択肢を選び、自分の足で進んで乗り越えた経験だったなと思います。
初めての旅の経験は、私の中である意味自分なりの就職活動であったなと思っていて、自分がこの先どういう風に生きたいかというのを真剣に考えた時間でした。この時間があったから、次の目標が立てられたし、なりたい自分像が見えたように思います。
この経験をしてからは、周りと違う決断をすることへの恐怖も減ったし、私は私でいいんだと思えるようになりました。
社会に出たら、全員違う道を歩むのが普通で、就職も結婚も様々な人生のイベントや環境も、誰一人として周りと同じ道を歩くことはできません。
そう思ったら、別に大学の1年がズレるくらい何の問題もないことだと思えるし、自分の人生をしっかり考える時間があってもいいのでは思います。(当時はビクビクしてましたが)
もし当時の私のように将来の不安を抱えている人がいたら、ぜひこんな道もあるんだよと何か選択の一つになるきっかけになれたら嬉しいです。
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