インドのスラム街で本当に起きた、ロマンチックな愛の奇跡。

こんにちは、ちびまや(@Mayayan6)です。
だいぶ冷え込む日が増えてきましたね。独り身には少し寂しい季節になってきました。笑

さて今日は、はじめて私がインドに行った際、訪問先のスラム街で村長さんから聞いた素敵な話をシェアします。

インドのスラム街で本当に起きた、とっても心温まる愛の奇跡のお話です。

宗教の違いで対立が続く危険なスラム街

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南インドのバンガロール。

IT都市として発展している街ですが、目覚ましい発展の裏に格差はつきもの。
バンガロールは貧しいスラム街が多くある街でもあります。

スラム街内はいくつかのコミュニティに分かれていることが多いです。
それは宗教だったり派閥だったりいろいろ。

私がNGOの協力で訪問したスラムは、イスラム教徒ヒンドゥー教徒が昔から激しく対立している場所でした。

日本人の私が歩くということで、命が狙われるような危ないスラムでこそありませんでしたが、それでも決して後ろを振り返ったりよそ見してはいけないよと言われました。

とても無邪気でかわいい子供たちが私の後ろについてきて、気が付いたら何十人にもかこまれてわいわいとした軽く御一行様状態。笑

お洒落した年頃のかわいい女の子が私の髪型に興味を持ってくれたり、
村長さんは、街に唯一あるSony製のテレビが自分の宝物だと言ってくれたり、
子供たちはどこを歩いていても、いろんな大人に叱られてたり(笑、

家の中や商売を見せてもらったり、一通りスラム街を歩いてみて、貧しいといえども、なんだかここには街全体が家族のようにあたたかい空気を感じました。

しかし村長さんの話によると、こんな穏やかなスラム街も、つい数年前まではイスラム教とヒンドゥー教徒で殺し合いが起きるほど激しく対立していたそう。
宗教による住み分けが行われていて、それぞれの生活ははっきりと分かれていたそうです。

そんなスラム街でしたが、ある出来事がおこり、両宗教の対立から助け合いへと変わっていくことになったんです。

恋に落ちた現代のロミオとジュリエット

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数年前、対立が続くそのスラム街で、あるイスラム教の青年と、ヒンドゥー教の女性が恋に落ちました。

インドの結婚観はとても厳しく、異宗教間の結婚がタブーであることはもちろん、同じヒンドゥー教徒でもカーストが違っていたら結婚は難しいです。
(※カースト制度は禁止されていますが、昔からインドに根付いた考えのため、実際はなかなかなくなっていません。)

お互いの親が許すわけもなく、人目を隠れるようにして二人は愛を深めていきました。

そんなある日、二人が親しくしているのが周囲にバレて、その問題は家族だけではなくスラム街全体へと広がることになりました。

宗教の違いから対立し合っている住民たち。
もちろん二人の交際をだれも認めてはくれません。

さらに激しくひどくなっていく両宗教の憎み合い。
二人は引き裂かれるようにして離れることになりました。

しかし離れても二人の愛は消えることはありません。
その愛は宗教の違いを乗り越えるほど強いものだったのです。

「どうして宗教が違うからって一緒になってはいけないの?」
「宗教が違うってだけで、彼のこと何も知らないじゃない!」

彼女は彼に会えない辛さのあまり、両親にそう言います。

そして彼もまた、彼女との交際を認めてもらえるように、スラム街全体の誤解を解くため一人一人説得していったそうです。

そんな彼らの素直な想いは次第に周りを変えていくことになります。

彼らの愛がスラム街全体を大きく変えていく

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二人の想いは、少しずつスラム街の人々の気持ちを動かしていきます。

何年も憎み合ってきた両者が、どうして憎み合っているのかということをもう一度考え直し、両宗教のトップによる話し合いが行われました。
そして、「未来のためにお互い協力して生きていこう」という結果に。

それからのスラム街はNGOの協力もあり、イスラム教徒とヒンドゥー教徒の子が一緒に通える学校が作られ、未来の子供達には自分たちの憎み合いを受け継がせないという方向に変わっていきます。

大人達も少しずつではありますが、住み分けをなくし、お互いに理解し合い争いごとが減っていくようになりました。
そして、今のような穏やかな暖かい街へと変わっていったのです。

ロミオとジュリエットのような二人ですが、見事ハッピーエンドとなり、今はご結婚されたそう。
二人はもうスラム街を出てしまったそうで、残念ながらお会いすることはできませんでした。

今回の話は、すべてこのスラム街の村長さんから聞いたお話です。
まるで自分の子供のように街の子供たちみんなを可愛がる、茶目っ気のある素敵な村長さんでした。

旅をしていると時々こういう素敵なお話と出会います。
その度に、これだから旅はやめられないなーと思います。

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